うつくしいのはら
仕事が終わってから病院の予約時間まで少し時間があったので、本屋で時間を潰す。私は本を読まないくせに本屋と図書館が大好きで、何時間いても飽きずに過ごせる。時間調整のために入った本屋で長居してしまって待ち合わせの時間を大幅に過ぎてしまったことも一度や二度のことではない。許せ、友よ。
本日購入した本。(画像が表示されないようなので、自分で用意してみました。)
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/10/26
- メディア: 単行本
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「営業ものがたり」はいつものサイバラ節が炸裂。サイバラさん、「自分はメジャーじゃないっ。」って連呼してますけど、十分メジャーだと思いますよ。
「ぼくんち」の番外編「朝日のあたる家」は母になったサイバラの思いが出ていると思う。正直彼女が結婚した時、「サイバラも普通に結婚しちゃうんだなぁ。」とがっかりしたのだけれど、*1「毎日かあさん」で彼女の子どもに対する愛情の深さを見ていると、結婚して良かったんだろうなと思う。結局離婚してしまったけど、聞くところによると離婚の原因の1つは子どもを守るためだったらしいしね。
読みたいと思ってながら読み損ねた「うつくしいのはら」がこんなに早く本になるとは思ってなかった。実は私は浦沢直樹も好きで、「うつくしいのはら」の元になっている「PLUTO」も、途中まで連載で読んでいた*2「20世紀少年」も読みたいんだけど、読み始めると続きが気になって仕方なくなると思って、一生懸命我慢している。これらは連載が終わったら単行本を大人買いする予定。
で、「うつくしいのはら」を読み進める私。
「字をおぼえましょう。」
「字がよめたら、世の中がわかる。商売ができる。ごはんが買える。かぞくがいっしょにいられる。」
「もらうのはみじめだ。」
ああ、こういうことを描けてしまうサイバラはずるい。私が曲がりなりにも「大卒」という肩書きを手に入れて、定年までクビを切れらない職(どうなるか分からなくなってきたけど。)に就いた理由そのものじゃないか。私がサイバラを好きなのは、彼女がこういう思いを持ってるからなんだろう。
ねぇ おかあさん
ぼくたちはいつになったら
字を覚えて
商売をして
人にものをもらわずに
生きていけるの
どんなに努力しても報われることはないという現実。
「持てる者」か「持たざる者」なのかは生まれながらに決められているという現実。
…不覚にも(?)泣きました。はい。